自分は分かるけれど,お客様には分からない

自分には分かるけれど,お客様には分からないという方がいます.お客様は自分より物わかりが悪いと言う事を言い換えているわけです.そんな事は無いと思います.色々うまくいっている人は色々できる人です.お客様の方が私よりうまく行っています.お客様から色々教えてもらっています.たまたま仕事の部分で,こちらが何かを伝えると,私がそれを理解したスピードより遙かに早く理解して修得してしまいます.私が知っている事なんて,相手がその瞬間に理解して,とり入れてしまえることばかりです.大した事なんて何もありません.

とある60歳の教授がドュポン社のチャールズ・ペダーセンの話をしてくれました.事実は違うかも知れませんが,伝わってきた話によると,ペダーセンは管理職にならずに実験をずっとさせてもらっていたそうです.とある化合物を作っていたら,副生成物が出来てしまっていて,その副生成物で65歳でノーベル賞を取ったのでした.包接,ホストゲスト化合物,超分子のカテゴリーに入ります.お墨付きのある研究ではノーベル賞は取れません.ノーベル賞の取れるような研究はお墨付きがないから予算は出ません.
(ノーベル賞は有名なので賞の代名詞として,私は,フィールズ賞の頂けるチャンスがもうすぐ完璧に無くなります.)
(ベストセラーを出したとある有名な先生が言うには「賞は偉い人がそうでない人にあげるもの」だとか.)
(ペダーセンを教えてくれた先生が言うには,そのうち超原子でノーベル賞出ると思うと言っていました.)

自分にはわかるけれど,他の人にはわかってもらえないだろう,という事は多くの人が思っているのかも知れません.基礎研究は大事だなんて,みんな知っていますけど,みんな自分しかその重要さはわからないと思っているのかも知れません.同じような逸話は尽きないのですが,散々話してきたのでもう飽きましたから言いません.自分は分かるけれど,その周りは分からないという人がいて,私がその周りの人に話したら「なんだ,やっぱりそうか,やっと納得出来た」と言われます.「当たり前でしょう」というと「そうですよね!」という感じです.変なごまかしより,ちゃんとした事を言った方が楽です.自分は日本人としては変な生き方をしてきましたから,みんながものすごくまともに見えます.過激な表現や,気持ちよくさせるテクニックとかではなくて,まともな事を好むと自分は思っています.やっぱりそうで,変な仕掛けは,消費者からすると頭にくるのですね.そうではなくて,ちゃんとした事をちゃんと言ってくれればいいのです.ちゃんとした事を言ってくれる,してくれる人が見つかるまで,買い手にとっては大変なわけです.そういう所が見つかると,とても嬉しい.

髪の毛は構造上,濡れている時はきしんで,乾かしたらさらさらになるのは普通です.大げさかも知れませんが只の摂理です.生理的な現象に文句を言うのはあんまり賢い人のする事では無いと思います.無理をすると,やっぱり色々問題が出てくる.その問題を解決しようとも思わないし,出来ない.今までもめたことがあるとしたら,そこの部分でしょうか.そのうちどうでもいいことになりますし,もめないでどっちも笑い出しますが.