プロテインデータバンクなどのライフサイエンス系のデーターベースが公費で運営され、無償で公開されていることの意義の話があった。それは、確かに、みんなでやった方が良いことと、個々にやった方が良いこととがありますし、実利的な説明は出来るのですが、それはみんなへのいいわけじゃないかなと、感じてきています。かっこいい言い方はいくらでも出来ます。人類の財産だからとか、そんなのは独占されたら、困るだとか。そんな事言ってみても、そんな事どうでもいいと思っている人の方が殆どです。実際、重要だと思っている話をして、興味ないと切られたことは何度もあります。（私だけでは無いみたいだけれども）
どんな分野でも最初はセコいのもいたと思うのですが、無料化へのパワーは強力です。立ち上げのメンバーの話を聞きたいですが、多分同じじゃ無いかと思います。元々ヒトは、集団で生存してきたスピーシーズで、当たり前な事だと言う事です。
金儲けにならない事の方がずっと楽しい。だから、本能で喜んでしまい、作ってしまう人が出てくる。それがデーターベースというものだと私は思うようになった。そしてそれは、支えられるのだ。
御利益のために数学をやり出してつまらなくなり、それが評価とは関係なくなったら急に面白くなったという人も沢山いる。「先生の研究面白いですね！」と言うと「金にならないよ」という「こういうのがどうしても面白い」というと、キラキラしているのです。学問は御利益無いほど面白い。大事な事ほど無料ですし、安い夢ほど銭かかるという、名言もあります。
無料で出来る事はいっぱいある。むしろ、一番大事なことは無料でしか出来ない。たまたま今の仕事が社会と繋がる手段だっただけです。それを通して、本当をやっていきたいという想いは最初からあります。私は、素敵な人といっぱい知り合いましたし、子どもの頃から憧れていた人物に顔を合わすことも出てきた。そういう方達に認めてもらえる存在になっていきたいという気持ちはあります。自分が客になったとき、相手から仕事を超えた部分で、ものすごくいい影響を与えてもらう機会が多いです。もちろん私はとても嬉しいですよ。ですが、相手の方が喜びを感じているように思います。本当にやりたい事がそこにあるのだと思います。
プロテインデーターバングを企画した方や、それに賛同した人達は、多分、喜びで溢れていたのでは無いかと思います。出来て喜んで、機能して、ずっと喜んでいるのでは無いでしょうかね。私は、そんなもんだと思ってしまうのです。最初から作ってきた人にとっては、面白くてしょうが無いだろうなと、思いますよ。また、そこから、生まれてくるのですから。
プロテインデーターバンク
Myoglobin (PDB ID: 1DWR)
ヘム鉄