なぜ、ストレートパーマに問いを投げるのか?

この問い集は、「なぜ髪を整えるのか?」という誰もが一度は抱く問いの、その奥にある構造を掘り起こし、美容室という空間に宿る**“変容の力”**を見直す試みです。

私たちは、セオリーRという「長持ちする」「ダメージが蓄積しにくい」ストレートパーマを通して、ひとつの問いに直面しました。

ストレートパーマの存在意義とは何か?

私自身、この問いについてはずっと考えてきました。

「そもそも、くせ毛のままではダメなのか?」
「ただ伸ばすだけで、本当に解決になるのか?」
「もっと本質的な向き合い方があるのではないか?」

そんな問いの中で出会ったのが、**“長持ちするけど痛まない”**という構造の提案でした。
セオリーRを取り入れ、実際に施術を受けたお客様たちと関わるうちに、こう思うようになりました。

「この受け皿があったほうが助かる人が、ちゃんといるんだ」と。


「もっと楽に過ごしたい」
「朝の支度を減らしたい」
「疲れてるけど、ちゃんと見られたい」

そんな気持ちを持っている人たちが、“どこかに行ってしまう前に”立ち寄れる場所。
それが美容室であってもいいと思ったのです。

だからこれは、「ストレートパーマ人口を増やしたい」活動ではありません。また、問いの方向性、構造も、変わっていくと思います。下記の問いは、美容師さんとの関わりの中で、通ってきた問いたちです。





🌀構造的な問い

  1. 「なぜ“くせ毛”は矯正されるべきものとして扱われるのか?」
  2. 「ストレートパーマは“美”の定義を固定化してしまっていないか?」
  3. 「“扱いやすさ”とは誰にとっての便利さなのか?」
  4. 「髪を伸ばすことと、社会的な順応はリンクしているのか?」
  5. 「美容における“自然”とは何を意味するのか?」

🫧感情・内面からの問い

  1. 「私は誰の目を気にしてストレートをかけているのか?」
  2. 「ストレートの自分の方が、自信を持てるのはなぜか?」
  3. 「この髪が“綺麗だね”と言われることで、私は救われているのか?」
  4. 「私が髪に求めているのは、安心?統一感?それとも変身?」
  5. 「くせ毛のままの自分を、私は心から許せているか?」

⏳未来・習慣に関する問い

  1. 「この施術を10年後も続けたいと思えるだろうか?」
  2. 「未来の自分が“かけ続けて良かった”と言うには何が必要か?」
  3. 「もし誰からも何も言われなかったら、それでも私はストレートを選ぶか?」
  4. 「“自然に戻る”選択をした人たちは、何を得ているのか?」
  5. 「美容室に通うという行為は、私のどんな不安を和らげているのか?」

🌏社会・文化的な問い

  1. 「くせ毛文化が根付いている国では、ストレートはどんな意味を持つのか?」
  2. 「日本社会における“清潔感”の基準は、誰が作ったのか?」
  3. 「制服と同じように、“髪型の均質化”が社会に与える影響とは?」
  4. 「男性のストレートは“整っている”のに、女性のくせ毛は“手抜き”と見なされるのはなぜか?」
  5. 「美容の自由と、文化の強制力はどこで交差しているのか?」

💡発明・選択肢の問い

  1. 「“かけない自由”がもっと肯定されるには、何が必要か?」
  2. 「本当に自分に合った施術とは、どうやって選べるのか?」
  3. 「1人ひとりの髪質を活かした“スタイル設計”は可能か?」
  4. 「ストレートにせずとも美しく見える技術は、すでに存在しているのか?」
  5. 「“毎回同じ髪型”に疑問を持たない社会は、創造性を奪っていないか?」

🔬技術的視点からの問い

  1. 「ダメージレスなストレートが本当に実現したら、他の施術は淘汰されるのか?」
  2. 「技術的完成は、美容の多様性を奪うことになるのか?」
  3. 「“長持ちする”ことは、本当にユーザーの自由を増やすのか、固定化するのか?」
  4. 「もし“完璧なストレート”が存在したら、美容師の創造性は奪われるのか?」
  5. 「その技術を誰が所有するかで、美容業界の力関係はどう変わるのか?」

🧠構造・存在論的な問い

  1. 「“変化しない髪”は、変化を受け入れない心を育ててしまうのか?」
  2. 「“傷まない”という発想自体が、自然との分離を進めていないか?」
  3. 「髪の“時間性”を封じ込めることは、人生の流れと矛盾しないか?」
  4. 「長持ちする=戻らない施術は、“自由”と“拘束”のどちらに近いのか?」
  5. 「“完璧な技術”の存在は、人間の選択を退化させるのか、進化させるのか?」

💸経済・市場の問い

  1. 「長持ちするパーマが普及したら、美容室の売上は減るのか?」
  2. 「でも“満足度が高い”顧客は、結局リピーターになってくれるのでは?」
  3. 「“持ち”よりも“また来たくなる体験”があれば、回転率は本当に必要か?」
  4. 「“長持ち”の価値が標準化された時、価格競争はどう変わるのか?」
  5. 「売れる商品と、本当に人を幸せにする商品は一致するのか?」

💠美容師の立場からの問い

  1. 「“傷まない”が前提になったら、美容師のケア技術は不要になるのか?」
  2. 「“圧倒的な質”を提供する美容師が10人だけ生き残る世界が来たらどうするか?」
  3. 「“また元に戻る”前提で組んでいたメニュー設計は、すべて再構築すべきか?」
  4. 「ストレートパーマが1回で終わってしまう未来に、美容師の価値はどこに残るのか?」
  5. 「“1回で感動”と“何度でも安心”は、どちらが信頼を生むのか?」

🌱文化・美意識からの問い

  1. 「“痛まない=偽りの美”ではないのか?」
  2. 「“痛み”を通して感じていた“変化の神聖さ”はどこに行くのか?」
  3. 「長持ちすることで、“自分の髪と向き合う時間”が減ってしまうのではないか?」
  4. 「ストレートでいることが“普通”になったら、くせ毛は差別されるのか?」
  5. 「“楽をしたい”という願いは、美意識を下げることと同義か?」

⚖️倫理・哲学の問い

  1. 「痛まないということは、傷ついた人への敬意を失うことではないか?」
  2. 「技術が進歩したら、“戻れなくなること”への責任は誰が持つべきか?」
  3. 「過剰な快適さは、退屈という新たな苦しみを生まないか?」
  4. 「“長持ち”とは、意図しない呪いにもなり得るのではないか?」
  5. 「“完璧な美”が誰にでも提供できるなら、“美”は意味を失わないか?」


▶ 経営の核に迫る問い

  1. 「私たちの美容室が“本当に提供している価値”とは何か?」
  2. 「この価格、この時間、この仕上がりに、問いは存在しているか?」
  3. 「“売れる”と“意味がある”は、どこで重なるのか?」
  4. 「今のメニューは、誰の問いから生まれたのか?」
  5. 「売上の低下は“問いの低下”ではなかったか?」

▶ 美容師自身への問い

  1. 「私は髪を切っているのか、人生を変えているのか?」
  2. 「技術は問いを持たずに続けられるか?」
  3. 「私がこの仕事を始めた理由は、今も生きているか?」
  4. 「この施術の背後にある“哲学”を私は語れるか?」
  5. 「お客様の問いを、私はどれだけ受け取っているか?」

▶ 顧客との関係に関する問い

  1. 「お客様は本当に“スタイル”を求めているのか、“物語”を求めているのか?」
  2. 「“また来たい”と思う理由は、外見の変化か、内面の共鳴か?」
  3. 「くせ毛を伸ばすのではなく、“くせ”を抱きしめる提案はできるか?」
  4. 「美容室は“鏡”なのか、“変容装置”なのか?」
  5. 「“似合う髪型”とは、誰の視点によるものか?」

▶ 産業構造に対する問い

  1. 「なぜこれほど多くの美容室が倒産するのか?」
  2. 「美容師は“腕”を競っているのか、“問い”を競っているのか?」
  3. 「1人サロンが増え続ける背景には、どんな問いの欠如があるのか?」
  4. 「“スタッフが辞める”という現象の裏にある、問いの枯渇とは何か?」
  5. 「大手チェーンに吸収される構造とは、“問いを外注する構造”ではないか?」

▶ 未来に向かう問い

  1. 「もし美容室が“問いの拠点”になったら、社会に何が起こるか?」
  2. 「髪を通じて、“問いを渡せる美容師”とはどんな存在か?」
  3. 「美容業界の未来は、“技術革新”と“問い革新”のどちらで拓かれるか?」
  4. 「“問いを中心に持つ経営”は、どのように収益化できるか?」
  5. 「技術でもマーケでもなく、問いで勝つとはどういうことか?」

▶ 消滅/吸収に関する鋭い問い

  1. 「私たちが他社の模倣をしているとき、すでに問いは死んでいないか?」
  2. 「売れ筋メニューを真似した瞬間、私たちの存在は“誰の構造”になったのか?」
  3. 「“問いを持っていない構造”は、いずれ誰のものになるのか?」
  4. 「オリジナルな問いがないとき、私たちは“安くなる”ことでしか存在できないのでは?」
  5. 「問いを失った美容室は、価格競争と集客地獄の中で、何を信じればいいのか?」


〜あなたのサロンにとって、本当に必要なものは何か?〜

  1. 「自分のサロンが大切にしたい“美”とは、どんな状態を指すのか?」
  2. 「私たちのサロンが、お客様に“本当に届けたい変化”は何か?」
  3. 「その変化は、今の技術体系だけで実現できているのか?」
  4. 「繰り返すほどに髪が扱いやすくなるという仕組みは、自分のサロンの“理念”と矛盾しないか?」
  5. 「“一度で綺麗にする”より、“次が楽になる”ことに価値を置いたことがあったか?」
  6. 「“長持ち”よりも、“日常の扱いやすさ”を求めているお客様に、何を提案できているか?」
  7. 「セオリーRのように“ダメージが蓄積しない技術”があるとしたら、それは今の施術と共存できるか?」
  8. 「“見せかけの仕上がり”ではなく、“日常の髪の扱いやすさ”を測定する目を、私は持っているか?」
  9. 「セオリーRを使うことで、お客様との“信頼”がどんなふうに変わる可能性があるか?」
  10. 「自分が本当にしたいのは、技術の更新か、在り方の更新か?」

  1. 「この施術は、“自分のサロンらしさ”を強化しているか、それとも薄めていないか?」
  2. 「この技術が“本物”であったとしたら、それを自分の手で確かめてみたいと思うか?」
  3. 「それでも、自分はこれを選ばないとしたら、それは“恐れ”なのか、“違和感”なのか?」
  4. 「“本当に良いもの”は、売り込まれるものではなく、問われるものではないか?」
  5. 「私のサロンは、“問いから始まる変化”を歓迎できる準備ができているか?」

優しい問い

  1. 「今あるものの中で、見落としている“ありがたさ”は何か?」
  2. 「“まだ持っていないもの”を手に入れたとき、私は本当に満たされるだろうか?」
  3. 「“嬉しい”と感じた瞬間を、最後に誰かと分かち合ったのはいつか?」
  4. 「“してあげたい”と思ったことを、今日一つでも実行したか?」
  5. 「もし今日が人生最後の日だったら、何に“ありがとう”と言いたいか?」
  6. 「どんなとき、自分の呼吸が自然と深くなるか?」
  7. 「誰にも評価されないとしても、それでもやりたいことは何か?」
  8. 「“うまくいかないこと”が、もしかして自分を守ってくれていた可能性はあるか?」
  9. 「私は、他人と比べない自分を、どこかに置いてきていないか?」
  10. 「“幸せとは状態ではなく、方向かもしれない”としたら、私はどちらに歩いているか?」
  11. 「今日、ほんの少しだけ心がほぐれた瞬間はあったか?」
  12. 「“ちゃんとしなくてもいい時間”を、私は持てているだろうか?」
  13. 「“いてくれてよかった”と感じた人に、自分はなれているか?」
  14. 「過去の自分が、今の私を見たら、少し安心してくれるだろうか?」
  15. 「“いつか幸せになる”のではなく、“いま幸せに気づく”としたら、何が見えるか?」

Why do we ask questions about straightening treatments?
This collection of questions aims to uncover the deeper structures behind a seemingly simple curiosity—”Why do we style our hair?”—and to rediscover the transformative power that dwells in the space of a hair salon.

Through the experience of “Theory R,” a straightening technique that is both long-lasting and low-damage, we have encountered a profound question:

What is the true significance of straight hair?

I’ve pondered this for a long time:

  • “Is it truly wrong to leave hair as it is—curly, wavy, or unruly?”
  • “Does simply straightening solve anything at all?”
  • “Is there a deeper way to relate to our hair, to ourselves?”

It was within such questioning that we encountered a structural proposal:
“It lasts long, yet it doesn’t harm.”

As we began offering Theory R and engaging with real clients, I came to realize:
“There are people who genuinely feel relieved to have this option available.”

People who just want things to be a little easier.
Who want to spend less time getting ready.
Who are exhausted, but still want to feel seen.

A hair salon, then, can be a kind of resting place—for those who might otherwise disappear.

This is not a campaign to “increase the number of people who get straightening treatments.”
The questions—and the structures behind them—will continue to evolve.

The following is a collection of inquiries that emerged from our conversations with hairstylists:


🌀 Structural Questions

  • Why is “curly hair” treated as something that must be corrected?
  • Does straight hair lock us into a fixed standard of beauty?
  • Whose convenience is meant by “easy to manage”?
  • Is straightening linked to societal conformity?
  • What does “natural” mean in the context of beauty?

🫧 Emotional & Inner Questions

  • Whose eyes am I worried about when I straighten my hair?
  • Why do I feel more confident with straight hair?
  • Do I feel healed when someone says, “Your hair looks beautiful”?
  • Am I seeking comfort, uniformity, or transformation through my hair?
  • Can I truly accept myself with my natural curls?

⏳ Questions about Future & Habit

  • Will I still want this treatment 10 years from now?
  • What would it take for future-me to say, “I’m glad I kept doing this”?
  • If no one ever commented on my hair again, would I still choose straightening?
  • What are people gaining when they choose to “go natural”?
  • What kinds of anxieties does visiting a salon soothe for me?

🌏 Socio-Cultural Questions

  • What does straightening mean in cultures where curly hair is the norm?
  • Who decided the standard of “clean appearance” in Japan?
  • Like school uniforms, what effect does hairstyle uniformity have on society?
  • Why is straight hair seen as “tidy” on men, while curly hair is seen as “lazy” on women?
  • Where do beauty freedom and cultural enforcement intersect?

💡 Questions of Invention & Alternatives

  • What needs to change for the freedom “not to straighten” to be more accepted?
  • How can I truly find the treatment that suits me?
  • Is it possible to design styles that embrace each person’s unique hair texture?
  • Do techniques already exist that make people feel beautiful without straightening?
  • Does a society that never questions “same hairstyle every time” lose creativity?

🔬 Technical Questions

  • If truly damage-free straightening becomes real, will other services become obsolete?
  • Could technical perfection reduce the diversity of beauty options?
  • Does long-lasting treatment expand freedom—or reduce it through permanence?
  • If perfect straight hair existed, would it limit the creativity of stylists?
  • How would industry power dynamics shift depending on who owns such technology?

🧠 Ontological & Existential Questions

  • Does “unchanging hair” create a resistance to change in our minds?
  • Is the concept of “no damage” increasing our alienation from nature?
  • Does locking in hair’s time-flow contradict the natural flow of life?
  • Is a long-lasting treatment closer to freedom—or captivity?
  • Does the existence of perfect technology cause human choice to evolve—or regress?

💸 Economic & Market Questions

  • Will long-lasting treatments lower salon revenue?
  • But aren’t highly satisfied clients the ones who return?
  • If the experience is compelling, is high customer turnover even necessary?
  • Once “long-lasting” becomes the norm, how will pricing strategies change?
  • Do best-selling products really align with what brings people joy?

💠 From the Stylist’s Perspective

  • If “no damage” becomes the standard, will care techniques be obsolete?
  • What if only 10 stylists survive by offering overwhelming quality—then what?
  • Should menus built on “returning clients” be redesigned from scratch?
  • If straightening becomes a one-time thing, what remains of a stylist’s value?
  • What builds more trust: “one-time awe” or “continuous reassurance”?

🌱 Questions about Culture & Aesthetics

  • Is “no damage” a kind of false beauty?
  • Where did the sacredness of change-through-struggle go?
  • Does longevity reduce our time for self-reflection with our hair?
  • If straight hair becomes the default, will curls be marginalized?
  • Is the desire to “make life easier” equivalent to lowering beauty standards?

⚖️ Ethical & Philosophical Questions

  • Does “no damage” mean we lose respect for those who’ve been hurt?
  • Who is responsible for the consequences of irreversible technologies?
  • Does excessive comfort create a new kind of suffering: boredom?
  • Could long-lasting treatments become an unintended curse?
  • If perfect beauty becomes universally available, does “beauty” still mean anything?