理科三類に良く入るという塾があって、そこの講師をしていた方から聞いた話で、こういう方がいらっしゃったそうです。大手の塾でトップクラスを教える場合は、生徒が最大限伸びる教え方をして、普通のクラスの場合は、生徒がわかった気になる教え方をしていたそうです。トップクラスを教える場合は、厳しい自習が必要で、普通のクラスの場合は自習をするはずがないので、その場でやった気になる講義をしていたというのです。そうしないと、アンケートでの評価も悪くなるし、良い事がないとの事です。
またこういう方もいます。新しい塾に努めて、その方は教え方が上手なので、2番のクラスを任されるまでなりました。1番は大先輩が受け持っています。テストの結果、1番のクラスと2番のクラスが逆転しました。その方は、生徒をその気にさせる事にも一生懸命で、難しいのは女の子だと言います。男はバカだから、すぐその気になって、勉強をしてくれるそうです。しかし女の子からは「先生そんな上手な事を言って勉強させる気でしょ!」と言われてしまい、彼は頭を抱えています。
処世術も含めて、共感できるところはあるのではないでしょうか。この話は、どこの業界でも良く聞く話です。実際に病院の知り合いからも同じ内容の話を聴きました。どちらの方が悪いとか、良いとかそういう話では無いです。その人に目的があるのなら、それにいく最短の方法を一気に詰め込んでも、そのときは多少苦渋の顔をしていても、次に会ったときには全部やっていますし、相手は大喜びしています。喜ばせてもらいたい事が目的の方には、それをすると「偉そうに」とか「上から」とか、言われてしまうので、「だったらやりたいようにやって下さい」というしか出来ません。また、どちらの人がいいとか悪いという話とも違います。
ずいぶん昔に、「マーケティングとは?」と質問をされて「必要とされている情報を、必要とされている人に、効果的効率的に伝える技術のことをいう」と、先輩に言わされたことがありました。そして次に「そう、必要とされない人に伝えてはいけない。売ってはいけないんだよ」と。「しかし、そうで無い人に伝えたくないのに、伝わってしまう場合があって、怒られてしまう!」というと「なるべくですよ」と励まされました。
ホームページの目的は、ユーザーが安心できる、恥ずかしくない、情報を取れる、という事でした。使っている方が、「ああ、実際に会社がある」とか「私の使い方はいいのかな?」となったときに、アクセスしやすいという事です。ですので、私が教わったマーケティングの為で、マスに対するマーケティングはやっているつもりはありません。必要とされていない方には出来るだけ情報を伝えたくないわけです。そういう方にうっかり伝わっても、その方にとっては、ちっとも欲しくない製品、内容だからです。
多数派にウケのいい先生と、実力をつけさせてくれる先生は違います。どちらの先生も、能力が高く、立派だと思います。しかし、私が好きな先生は、実力をつけさせてくれる先生です。こっちも相手にして欲しいから、出来るだけ頑張ります。プロに、出来れば「おっ」って思わせたいじゃないですか。雲の上のような存在だというのはわかっていますよ。ですけど、並ぶ日が未来にあったっていいわけです。