粒子の力学と粒子の集合の熱力学
これを繋ぐのが 統計力学
粒子の力学は 質点の力学でお馴染みの
位置ベクトルr
質量 m
運動量 P
エネルギー E
が変数
熱力学では
温度 T
圧力 P
体積 V
エントロピー S
が変数
熱力学の特殊性はエントロピーと言う概念で,不可逆過程という概念
20代前半にボルツマンはエントロピーの概念と力学的な原子論を結びつけようと試みた.
彼の出発点は,物質は,分子原子の集合であって,分子原子の運動が集合としての性質も決めているはずなので,その力学的な運動方程式をたてて調べれば物質の熱力学的な性質も分かるはずだというのが,彼の出発点だった.また彼は,熱力学の中で重要な概念である不可逆性も,力学の考察から得られると考えた.力学からエントロピー増大の解釈を行い,さらにエントロピーの確率論的解釈を導入した.力学の概念で熱力学を説明するボルツマンの考え方は統計力学の基本となる.